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どくだみ草の苦い味

各地から、梅雨入りの便りが届く。
雨に揺れる紫陽花は、この季節ならではの風物詩。
けれども私にとって、梅雨の花は「どくだみ草」だ。
 
この、悲しいほどまがまがしい名前の草には、白くてかわいらしい花が咲く。
独特の匂いから、気の毒な名前がついたに違いない。
どくだみ草を、のどから手が出るほど欲しかったことがあった。
 
もう19年も前のこと。
生まれた息子は、生後一週間で、眉毛も頭も真っ黄色になった。
脂漏性湿疹だった。
それは、日を追うごとにひどくなり、やがて全身に赤い湿疹ができ、
関節や耳の後ろからは、ただれて汁が出た。
生まれて半年も過ぎると、動けるようになった息子は痒さのために泣きわめき、
床の上を転げまわった。
 
「アトピー」という病気を知ったのは、実に、自分の子どもの症状からだった。
連れて行った国立の総合病院では、
「症状が重すぎるのでここでは診ることができない。
専門の病院に行ってほしい」と言われた。
それから、病院めぐりが始まった。
西に専門医がいると聞けば飛んで行き、
東に効く薬があると聞けば駆けつけた。
けれども、息子は少しも良くならず、
わずかにステロイド剤を塗ったときだけ、湿疹がひいた。
 
そんなとき、母から電話があり、
皮膚のただれにはどくだみ草が効くのだと教えられた。
乾燥させて送ってあげるからと言われ、喜んでいたのだが、
待てども待てども届かない。
息子は毎日苦しみ、泣いているのだ。
逆上した私は母に電話をかけ、なぜ送ってくれないのだと責めた。
母は、穏やかに答えた。
毎日毎日雨で、どくだみ草を乾燥させることができないのだと。
 
その時、初めて私は我に返った。
天気のことさえ思い浮かべられないほど、子どものことに必死になり、
自分を失っていたのだ。
いくつもの病院を引き回し、
痛い検査を、生まれて間もない赤ちゃんに受けさせていた。
 
それから、私は腹をすえた。
ステロイドの副作用を怖れて少ししか薬をぬらないと、症状は長引く。
集中的にぬって改善すると、結果的に薬は減らすことができる。
薬のこと、アレルギーのこと、いろいろなことを学んだ。
私もまた、母として赤ちゃんだったのだ。
 
その後も、アレルギーという魔物は、出口を変えて息子を苦しめた。
皮膚はきれいになったものの、
ぜんそくになり、食物アレルギーになり、鼻炎や、アレルギー性結膜炎や。
でも、生まれたばかりのころを思えば、軽いほうだと思えた。
息子も、母である私も、ともに成長した。
 
どくだみ草には、白くてかわいい花が咲く。
思い出は、苦い味がするけれど。
 

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コメント

非公開コメント

No title

蒼天さん、ありがとうございます!
ばぁちゃんは鉄の女なので、ちっとも辛くないようですよ(^^ゞ
耳の後ろから汁が出ると言ったら、「赤ちゃんはみんな出る」と言っておりました。
昔はアトピーという言葉がなかったので、私の兄弟は皆アトピーだったのを知らずに育てたようです^^;

息子さん、ぜんそく良くなるといいですね!
うちは小学高学年で落ち着きましたよ。
スイミングに行かせました(*^_^*)

明日もいい日でありますように♪

No title

蒼天さんのこと、ちょいちょい思い出してますよ♪
忘れるわけないでしょ(^_-)~☆

髪が伸びるとますますもさもさになることもあるよね^m^
梅雨時はふくらむから気を付けてね(*^。^*)

No title

D-R KURENAIさん、ありがとうございます!
どくだみ草は、かわいいお花なので群生すると素敵な花畑ですね♪
乾燥させてどくだみ茶に、お風呂に入れるとあせもや皮膚炎にいいそうです(*^_^*)
今でもよその敷地のどくだみ草が欲しくなります(^^ゞ

No title

まさえ0504さん、ありがとうございます!
赤ちゃんが1歳なら、お母さんも母として1歳なんですよね。
思い出すと、いろいろと恥ずかしいことだらけです(^^ゞ

どくだみ、とても生命力の強い草ですね♪
かわいいお花です(*^_^*)

No title

shizuさん、ありがとうございます!
shizuさんのような方でも、右往左往されたこと、あるでしょうか?
今、思うと、本当に頭に血がのぼり、息子を余計に苦しめたように
感じます。
大変だったけれど、懐かしくもあり…(*^_^*)

親というのは、子どもとともに成長するものですよね。
そして、いつの間にか、息子に抜かれたような気もします(^^ゞ

shizuさんやながみちさんのどくだみ草の記事を、
懐かしい思いで拝見しておりました♪

No title

日本平333さん、ありがとうございます!
お母様も、そうやっておできを治してくださったのですね。
病気やけがはしたくないものですが、大切にされた思い出として
いつまでも心に残りますね(*^_^*)

No title

ドクダミの花はその素朴さとは違って葉っぱや根には凄い生命力がありますよね。
私の周りでも花が咲いています。
私もドクダミのお茶を飲んでる頃がありました。
ドクダミのに生命力そのままをいただいた感じで。
今は自分なりの健康管理をしているのですが、
子供の頃
おばあさんが、ご飯を作ってくれていたせいか
赤色のソーセージとかはなかった地味なご飯のおかげで今の食事の基礎になってる気がするので子供の頃のお母さんや家族の心に感謝ですね。
子供の頃は赤色のソーセージに憧れを持ってましたけど(^-^)
ドクダミの花は、ひーさんの心の花ですね。

No title

はじめまして ブログへのコメントありがとうございます。
ひーさんのお花等の写真にはとても、心癒されます。
私も、私の娘もアレルギーに苦しんでいます。
またまた、素敵なお花の写真で、私達家族を癒してください。

No title

Lestoilesさん、ありがとうございます!
おばあ様は、健康を気遣って、赤いソーセージをお使いにならなかったのですね。
私の子どものころは、今ほど着色料などへの配慮がなく、
我が家では思いっきり赤いソーセージをお弁当に入れていました^^;
Lestoilesさんのおばあ様は、先見の明がおありになったのでしょう。

どくだみ茶は、健康に良いそうですね。
少し癖があるけれど、お花の持つ生命力をいただく…
Lestoilesさんの感覚の通りですね(*^_^*)
私もこの夏はいただこうかと思っています。
どくだみ茶♪

No title

大工のあんくん、ありがとうございます!
(あんくんの「くん」は「君」でしょうか!?あんくんとお呼びしていいのでしょうか)
お嬢さんもアレルギーなのですね。
アレルギーというのは、特効薬がなく、ひとつひとつを対症療法的に治療するほかは、体力をつけて体を強くするくらいしかないようですね。
少しでも軽くなるといいですね(*^_^*)
また、大工のあんくんのところへもおじゃまさせていただきます♪

No title

一生懸命 アレルギーと戦ってこられた ひーさん
なかなか 完治するまでの道のりは大変と 聞いていました
どくだみは私の田舎は 山や土手にいっぱい あり
御茶がわりに飲んでありました
触ると独特の臭いが残り 子供心にいやな印象を持っていましたが 大人になり 事あるごとに 子供達に 飲ませていました
その子供達が妊婦となった時 再び 力を入れて 飲ませるようになりました この時期は どくだみを採取 乾燥させるのが
行事になってきました
姪は どくだみ化粧水を作って使っています

No title

ながみちさん、ありがとうございます。
息子が生まれてくるまでは、自分からこんな重症のアトピーの子どもが生まれてくるとは夢にも思わず、大きくなるまでずいぶん病院に通いました。
ながみちさんのブログで、こうしてお茶を作ることができるのだと
勉強になりました。
お嬢さんやお孫さんは病気知らずなのではないでしょうか。
どくだみ化粧水というものまであるのですね(*^_^*)

これから、私もみなさんのお知恵を拝借して、どくだみ草を
活用しようと思っています♪

No title

よく聞く病名ですが本当にそれが赤ちゃんなので余計つらかったと
思います・・・皆さんのコメントは嬉しいですね。
ドクダミ昔GMAさんもおばあちゃんからいやいや飲まされました
暗い薮や道端にしっそり咲く漢方薬ですね。ポチ☆アローハ

No title

グランマさん、ありがとうございます!
ここに遊びに来て下さる方は、みなさんお優しい方ばかりです(*^_^*)
いつもうれしいコメントをいただいています♪
グランマさんもどくだみ茶を飲んでいらしたのですね。
家族や自分の健康を心がける、グランマさんのおばあちゃんのようになりたいです(^^)

No title

ひーさん♡ ちゃお~♪ ( ´ ▽ ` )ノ

にいちゃんの息子が喘息でね…
空手やスイミングにいってるんだけど

4才の妹が 真似して
殴るは蹴るわで
にいちゃん タジタジです♡
ぷふふっ♪

楽しい休日でありますようにhttps://s.yimg.jp/images/mail/emoji/15/ew_icon_s316.gif">

No title

蒼天 さん、ちゃお~♪ ( ´ ▽ ` )ノ

強い妹さん、将来が楽しみですね♡
お兄ちゃんは優しいのでしょう♪
これも、楽しみですね~(^_-)~☆

でも、めっきり弱いうちの息子に、
妹がいなくてよかったかも!?
ぷふふ♪

忙しい休日でしたよ~(^^ゞ
明日もいい日でありますように☆

No title

はじめまして、こんばんは!
私は、あの独特な匂いが好きです。
家の庭には自由にドクダミが咲き誇ってますよ♪

No title

qcp**450さん、はじめまして。コメントありがとうございます(*^_^*)
そちらにも、かわいいどくだみ草のお花がたくさん咲いているのですね♪
実は、 qcp**450さんのように夫も登山が好きで、今では少なくなりましたが登っています(^^)
山のお花もきれいですね♪

No title

ひーさんもアレルギーと戦ってこられたとのこと、私もそうです☆なんだか他人のこととは思えません☆私の場合は、主人のアトピーと、それに関連する目の病気(白内障、網膜剥離)や生活上のいろいろな不自由(掃除・食事など)。。。一時は離婚まで考えたほどで、出産前後は、慣れない育児と主人のアトピーとでノイローゼになりそうでした(^^;ムスメも1歳半頃まで食物アレルギー(小麦・卵)でしたし☆生後4ヶ月の子を抱えて車で1時間ちょっとかかるクリニックまで通院していたな~☆今でもこの時期のことは、トラウマで、夫婦関係に影を落としております(笑)最近、佐賀大学でアトピーを慢性化させるタンパク質が見つかったとのこと♪実用化には10年ほどかかるとのことですが、早く実用化してほしいものです♪これからは、庭のどくだみを見ると、ひーさんのことを思い出しそうです(^^)ぽち♪

No title

あじさいさん、ありがとうございます。
ご主人、大変ですね。
大人になるまで長引くというのは、大変なことだと思います。
一口にアトピーと言っても様々で、人によってはストレスなどでひどくなることもあるようです。
うちの息子の場合はのんびり屋で、心理的悪化はぜんそくでも見られませんでしたが、よその子どもさんは何かの発表会とか試験とかでも、アトピーやぜんそくが悪くなるようでした。
あじさいさんも大変だと思いますが、ご家族を支えてください(*^_^*)
お母さんは家族の基地であり、太陽です♪

どくだみでは、「匂い」じゃなく「花」で思い出していただけると
うれしいです(^^ゞ
ぽち、ありがとです♡