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ちゃぶ台をひっくり返した男たち

昔のドラマで、「ちゃぶ台をひっくり返す」というシーンがよくあった。
私の記憶の中で一番鮮明なものは、「寺内貫太郎一家」。
デブデブに太った頑固親父の小林亜星が、ちゃぶ台をひっくり返しては暴れていた。
夜9時を過ぎたら、
子どもは自分の部屋に行って寝るように言われていた我が家。
このドラマ観たさに、小学生の私は初めて親に反抗して、
9時からのこのテレビを観た。
その当時でさえ、「ちゃぶ台をひっくり返す」という所業は、
ずいぶん古臭い印象を持って観ていたものだ。
 
先月末の忘年会で、同じテーブルに座っていた中の二人が、
父親にちゃぶ台をひっくり返されたという思い出話を始めた。
そのテーブルには六人しかいなかったのに、二人もいた。
お二人とも五十代後半の方。
 
話は、父親にちゃぶ台をひっくり返され、母親が泣き、
というお決まりのパターンが繰り返されると、
父親に対して殺意が沸く、というものだった。
殺意が沸いたとか、殺してやろうかと思ったなどと、
物騒な話を酒の肴に、盛り上がったわけだ。
 
皆、いい年をした大人なので、本当に楽しくお酒を飲んで別れたのだけれど、
実際に体験した人にとっては、修羅場だったに違いない。
 
私の父もずいぶん短気な人だったが、母があまりに強く、
母に怒れずに子どもの私に八つ当たりをすることさえあった。
痩せた父がひっくり返すには、大きすぎるテーブルだったのかもしれない。
テーブルをひっくり返すには、気の小さすぎる男だったのかもしれない。
そんなことを思いながら、亡き父のことを思い出していた。
 
ちゃぶ台をひっくり返した男たちも、ひっくり返せなかった男も、
今はもういない。
それぞれが、心の中の亡き人を思い出しながら、家路についた年の瀬。
新年の挨拶を済ませると、
誰もがそんな話は忘れたように働いている。
 
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コメント

非公開コメント

No title

ちゃぶ台をひっくり返す場面、読んだことはあっても映像でみたのは私も寺内貫太郎一家が最初です。
私はあの頃もう大人でしたけどね。

あれはドラマだから笑ってみてたけど、実際にそういう体験(被害)をした方がけっこういるんですね。

一日の一家の楽しみの食卓をめちゃくちゃにするなんて、ひどいことですね。感情を抑えれない幼稚な親なんですよ。暴君ね。

でも昔はそういう家長にものも言えずじっと泣いて我慢したのかしら?

No title

コスモスさん、いつもご丁寧なコメントありがとうございます(^^)
あの時、大人でいらしたんですね。
ちょっぴりだけ、先輩です(=^・^=) 違う場所で、子どもと大人が同じテレビを見て、やがてブログで出会う…不思議な気がしました♪

本当に、昔はそういうことがあったんですね。我慢だけ、していたのでしょうか。忘年会でお話した方は、殺意が沸いたなんて言われていましたが、お父様には結局、親孝行なさったようでした(^^)v

No title

はじめまして…ロンです
ちゃぶ台ひっくり返す!!
亭主関白と言うか…私の父も3年前に他界しましたが…
それは、それは…亭主関白な人で
(((・・;)三つ指ついての挨拶ですよ
おはようございます、おやすみなさい…_(^^;)ゞ

しかも…女は終い湯の人でして
勘弁して下さいって子供ながらに思ってました
母も離婚したくても我慢の時代でしたから…今想えば…少し懐かしくもありますが
当時は嫌で嫌でたまりませんでしたってのが本音でしょう。

ちゃぶ台をひっくり返せないほど、テーブルが大きかったけれど
父はってか、男ってのは威厳を保ちたいのでしょうね…

威張れるのは家族しかいない時代だったかもしれませんね…

外面がよくて内弁慶でした…(笑)

No title

ロンさん、はじめまして。コメントありがとうございます(*^_^*)
三つ指、終い湯、すごいですね!本物の関白って言っていいのでしょうか^^;
私の父も他界して3年です。始めはまとまらなかった父への気持ちが、少しずつまとまり、父のことを思い出すようになりました(#^.^#)うちも、内弁慶だったのだと思います。。。