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水戸黄門の終焉

長い長い間続いてきた、水戸黄門が終わる。
亡き祖母が好きで、子どものころは必ず観ていた番組。
「この紋所が目に入らぬか~」
「ははぁ~」
という、毎週繰り返されるワンシーンは、子ども心に面白かった。
 
小学生のとき、授業で「勧善懲悪」という言葉について、先生が語った。
この四文字熟語を最もよく象徴したものが水戸黄門だと。
三つ葉の葵御紋の前に、悪人どもは必ず平伏し、成敗される。
あのような単純な勧善懲悪番組で溜飲を下げ、毎週観ている人の気がしれない。
そんなことを、先生から聞いた。
 
そのような単純な勧善懲悪番組を喜んで観ていた我が家に帰り、
「勧善懲悪で単純なドラマだ」と、子どもの私は得意げに言った。
すると、母はきっぱりと言った。
テレビの中でくらい、勧善懲悪がなくてはやりきれない、と。
得意げに伸びた私の鼻はポッキリと折れ、
大人の世界は複雑なんだと思った。
その時の母が、どんな不条理に対して水戸黄門で溜飲を下げていたのか、
分かりはしなかったけれど。
 
水戸黄門がついに終わると聞いたとき、私は思った。
世情が複雑化し、悪代官と黄門様のようには、善と悪の構図が判然としない。
芸能人が良かれと思って被災地に炊き出しに行っても、
ファンが押しかけて被災地ではかえって迷惑だったりする。
子育て世代を応援するために子ども手当を新設しても、
むしろ子ども世代の借金を増やすだけ。
不況は各国が複雑に絡んで地球規模で起こり、
政治家はまじめに取り組むけれど舵取りが下手で迷走する。
人々は、どこに向かって悪代官とののしってよいのかが見えず、
何に溜飲を下げていいのかも分からないのだと。
 
結婚して、子どもが生まれても、観たい番組がないとき、
水戸黄門を何とはなしにつけておいた。
小さい子どものサガで、どうやらすぐに覚えたらしい。
幼稚園に入園した息子は大声で歌った。
「じーんせい、ラクありゃクぅもあるサ~」
3歳の息子が歌う水戸黄門の主題歌はウケにウケ、
息子は一躍、先生方とバスの運転手の人気者となった。
祖母に始まり、息子で水戸黄門視聴者4代目である。
 
水戸黄門が終わると聞き、善悪の構図が…と思っていた私は
意表を突かれた。
なに、由美かおるの入浴シーンがなくなり、視聴率が下がったのだ。
 
世の中は、子どもが思うより複雑だが、
大人が思うよりは単純なのかもしれない。
 
 
 
 
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コメント

非公開コメント

No title

水戸黄門はどのくらい前からあったのかしら?

実は私の祖母も楽しみにして見ていました。我が家にテレビが入って間もなくの頃で(言ってる時代が違うかも?)その頃はドラマは勧善懲悪ものがほとんどだったと思います。

お母様がおっしゃったようにテレビだけでも悪者がやっつけられてすっきりしたい気持ち、わかる気がします。

最近は世の中のことで、善・悪がはっきりしないことって確かに多いかもしれません。
自分自身の生きざまでも、誰もが善だと思ってて、ああ善が通らない世の中だわと思ったりすること、あるんじゃないかしら?
でも他人からみたらどうなのか・・

No title

コスモスさん、ありがとうございます。
水戸黄門はいつごろからあったのか、私も定かではありません。
もの心ついたときには家族で観ていました(#^.^#)

ちなみに、私の母は勧善懲悪番組を観なくても、自分でやっつけてすっきりできるほど強いんですが…^^;

善と悪は、立場によって変わってくるので、善の押し売りはむしろ悪になってしまうこと、ありますね。
「他人からみたらどうなのか」、自戒しなければと思います。

No title

初代の水戸黄門…東野さんが好きでした。
そして水戸黄門の歌の歌詞に励まされました

何気に口ずさんでたなぁ…
人生楽ありゃ苦もあるさ~♪涙のあとには虹もでる
歩いていくんだしっかりと~自分の道をふみしめて

なりたい自分になれるようにと(^-^)

No title

アラフォーのロンさん、ありがとうございます。
実は、私も初代水戸黄門が一番好きでした♪♪
ロンさんの年齢でも初代をご存知だとは…
ちょっと、うれしい(#^.^#)