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老老介護デイケア便り

義母から電話があった。「お父さんが幼稚園児みたいなのよ~」。 義父は、今年の春脳梗塞を起こし、要介護の身。義母がお世話をしている。デイケアに週2~3回通っているのだけれど、デイケアに行く日になると、まるで幼稚園児のように行きたくないとぐずるらしい。 義父は結構な頑固者。以前は、義母に向かって「バカっ」などと怒鳴ることもあった。今でも「お前は強情だ」なんて、平気で言っている。義母はにこにこ顔...

夫が名古屋シティマラソンを走るワケ

先月、夫に名古屋シティマラソン当選の知らせが届いた。つい先日、長浜市のあざいお市マラソンに出たばかりだというのに。今度もハーフマラソンに出るらしい。 夫がマラソンに出るにはワケがある。山に登るのは、そこに山があるから。マラソンに出るのは、そこに道があるから、なんて詩的な理由じゃない。夫は、ダイエットのためにマラソンを始めた。 始めたころ、加速度を増して膨張してゆく宇宙のように、夫の体は年々...

ビートルズ「Let it be」は聖母マリアの言葉

教会のクリスマスコンサートでお聞きした、興味深いお話。 教会のクリスマスコンサートでは、「アヴェ・マリア」の讃美歌が歌われる。アヴェ・マリアとは、聖母マリア、イエス・キリストの母である。 マリアは、大天使ガブリエルから、神の子を授かったことを告げられる。うら若きマリアは、まだ結婚していない。もちろん、式や届け出といった、形の上の結婚だけでなく。けれど、全知全能の神に不可能はない。マリアは「...

クリスマスの子どもたちへ~虐待の連鎖を止めて~

クリスマスのころに、毎年コンサートを行う教会がある。とある養護施設を支援するためのチャリティコンサートだ。スタッフも合唱団も、全員がボランティアと聞く。天井の高い教会で聞くクリスマスソングは、厳かに冷たい空気の中で響き渡り、本当にすばらしい。 支援しているという、養護施設の施設長から聞いたという話。そこで預かっている子どもたちのお母さんが訪ねてくる日がある。お母さんたちは、少しずつ大きくなって...

水戸黄門の終焉

長い長い間続いてきた、水戸黄門が終わる。亡き祖母が好きで、子どものころは必ず観ていた番組。「この紋所が目に入らぬか~」「ははぁ~」という、毎週繰り返されるワンシーンは、子ども心に面白かった。 小学生のとき、授業で「勧善懲悪」という言葉について、先生が語った。この四文字熟語を最もよく象徴したものが水戸黄門だと。三つ葉の葵御紋の前に、悪人どもは必ず平伏し、成敗される。あのような単純な勧善懲悪番組で...

冷蔵庫よ、お前もかっ

今日、新しい冷蔵庫が我が家にやってきた。十年ぶりの新品。「どこでもドア」ならぬ、「どっちもドア」。左右どちらからでも開く。主人と子どもは左利き、私は右利き、加えて我が家は転勤族でどんな間取りに住むかわからないため、冷蔵庫は「どっちもドア」でなくてはならぬ。 子どもの受験の失敗を皮切りに、今年は悲しいことの連続だった。病やトラブルなど、次々といろいろなものにつまずき、若き友人のこの世の存在も含め...

内田樹的都会の落ち葉かき

この地方で、平野部での紅葉を楽しめるのは、おそらく今日が最後の日曜日。色づいた街路樹は、次々と葉を落とし始めた。 今の職場に入って初めて知ったのだけれど、街路樹の落ち葉の多くは、その近所の好意によって掃除されている。たまたま、会社の前に街路樹が繁っているから。自分の家の出口に落ち葉が降ってくるから、という理由で。世の中には、ありがとうとも言われず、評価もされないような仕事がたくさんある。けれど...